2011年12月9日金曜日

作曲家三木稔さんの訃報

昨日、作曲家の三木稔さんが亡くなりました。ワタシのような音楽と局部的にしか付き合っていない素人でも名前を知っている、日本の作曲家のお一人。長年に亘る幅広いご活躍と文化的尽力は、記録だけでなく記憶に残る作曲家として名を残されるのではないでしょうか。

あまりこの場で時事のことや、個人への見解などは触れていないつもりではありますが、今回はやはり書かずにいられないと思います。今年3月に徳島で公演したオペラ『きみを呼ぶ声』の際、ホールまでお運び頂き直接助言頂いたことは、驚きと戸惑いはありましたが、やはり我々出演者にとって大きな出来事でした。リハーサルの時、ガランとした客席に座りステージを観て頂き、ご助言頂いた記憶は、忘れられないほど痛烈に脳裏に焼きついています。演じる側にとって作曲家の言葉ほど強い意味を持つメッセージはないですし、この経験自体が突風を身体の正面から受けたような感覚を覚えました。


いろいろな意味で印象深い公演でした。個人的には不完全燃焼な部分も少なく有りませんでしたが、多くのことを学ぶことができました。何より初演以来2回目、また作曲家のご出身地での初公演であったので、少々力みながらの公演でした。「作品理解」ということに近づくのに時間がかかりました。出演者同士も最後までいろいろ戸惑いながらでしたし、満足いくものであったかどうかは分かりません。公演を終えて拍手をもらっても、良かったのかどうか、成功だったのかどうかも判断できません。それが近現代音楽というものなのかもしれません。ただ単に未熟だったからかもしれません。でもそういう葛藤や不安や疑問や思いが、今後も忘れることのない記憶と達成感を得た原因かもしれません。

病魔との闘いは長いものだったと聞いています。心よりお悔やみ申し上げるとともに、ご家族の方々の悲しみをお察し致します。

     

0 人がコメント!: